未決済建玉(OI)は、まだ決済されていない契約の総量です。先物はロング1枚ごとに反対側にショート1枚があるので、約定の両側がどちらも新しいポジションなら増え、両側がどちらも既存のポジションを閉じるもの(清算を含む)なら減り、片方が入って片方が出ていくなら変わりません。そのため価格と一緒に見れば、動きが新しいポジションで起きたのか、既存のポジションが抜けながら起きたのかを推し量れます。図の急落区間のように価格と OI がそろって大きく減れば、ロングの手仕舞い・清算が集中したとよく解釈されます。OI を USDT の金額で見ると価格が上がるだけで増えるので、コインの数量ベースで見るほうが正確です。出来高と OI は別物です。出来高はその時間にやり取りされた契約の量で、OI はその結果残っている量なので、出来高が多いのに OI が変わらなければ、同じポジションの持ち主が入れ替わっただけということです。ただし図のように2本の線がそろって動いたというだけでは、誰が手仕舞ったのかまでは断定できません。
例: 上は価格、下は未決済建玉(OI)です。前半では価格と OI がそろって増え、急落区間では両方がそろって大きく減りました。急落区間はロングポジションの手仕舞い・清算で下がったものとよく解釈されますが、この2本の線だけでは断定できません。
価格と OI の4つの組み合わせ
価格と OI の向きを組み合わせると、4通りになります。よく使われる解釈は下のとおりですが、どれも推定です。すべての契約にはロングとショートが一緒にあるので、OI が増えたということは、新しいロングと新しいショートが同じ量だけできたという意味です。「新しいロングが入った」という言い方は、どちらがより急いで成行で入ったかを、価格の向きから推し量ったものです。1つの取引所、1つの銘柄のデータだという点もあわせて見る必要があります。判断の目安としてよく使われるのは変化の大きさです。OI が1〜2%上下するのはふだんのさざ波かもしれず、数時間のうちに大きく変わったときに組み合わせの解釈が意味を持つと考える人が多くいます。ショートの手仕舞いが主導した上昇は新しい買いではなく既存のショートが買い戻して閉じるものなので、手仕舞いが終われば勢いが落ちうると読まれることもあります。逆に価格↓ OI↑ の組み合わせは新しいショートが集まったというだけで、そのショートが正しいという意味ではありません。
資金調達率は、暗号資産の無期限先物にだけある仕組みです。株の側の先物は、韓国の株価指数先物・個別株先物も米国の株価指数先物も満期があるので、先物と現物の差(ベーシス)は満期が近づくと自然に縮みます。未決済建玉は株の先物にもありますが、満期のころに次の限月へ乗り換えるたびに大きく減っては増えるので、その変化を偏りの変化として読んではいけません。韓国で個人のレバレッジを見る数字としては信用融資の残高がよく使われ、サムスン電子や SK ハイニックスのように売買の多い銘柄でも、この残高と空売り残高をあわせて見る人が多くいます。ただし公表は1日以上の間隔なので、暗号資産のように数分単位で追うことはできません。米国の空売り残高は月に2回ほどまとめて公表されます。値幅制限も違います。暗号資産の先物には制限がないので連鎖清算が数分のうちに最後まで進むことがありますが、韓国株は1日±30%の範囲で止まり、証拠金が足りなくなった信用口座の反対売買はふつう翌営業日の取引開始のころに出ます。そのため同じ偏りでも、解消される速さと形が違って現れます。
実践の点検手順
リアルタイムのチャートの横にこれらの数字を並べるときは、更新の速さがそれぞれ違うことをまず知っておく必要があります。価格の足は約定のたびに変わりますが、OI・ロングショート比率は数分おきに集計される統計で、資金調達率は精算まで変わる予想値です。形成中の足の値動きと直前の集計の OI を組み合わせると、時点のずれた比較になります。精算時刻の前後には、資金調達率を避けたり受け取ったりするためのポジション調整が重なって、短い足が揺れることもあります。